さよならの殺人1980

『1980年、ジョン・レノンが殺された時期に日本の大学生が殺人事件に巻き込まれる話』を1997年に小説に書いた人の話。まあ、外側の1997年の話は謎解きは有るけど分量としてはあっさりしたもので、メインは内側の1980年の話のほうでしょうね。
1959年生まれの著者は1980年にはちょうど大学生だったんだろうし、そういう意味では1980年当時の大学生がどんな雰囲気でどういう生き方だったのかはもちろん詳しいだろうし、楽しく読むことは出来ました。1980年にはまだ子供だった私には自治会とか闘争とか、あるいはそれらが廃れてきているとか言われてもよく分からないですけど。
この著者の小説ではいつものことですが、読みやすい文章でとても良いと思う。