天使が開けた密室

天使が開けた密室 (創元推理文庫)

天使が開けた密室 (創元推理文庫)

もともと富士見ミステリー文庫から激アルバイター・美波の事件簿 天使が開けた密室 (富士見ミステリー文庫)として5年以上前に出ていた小説が、創元推理文庫から出版されたものです。行方不明の父親を探すために旅費を貯めようとアルバイトをしてる女子高生の美波が、病死した死体を霊安室まで運ぶバイトで殺人事件に巻き込まれていくお話。
相当後半にならないと殺人事件が起きなかったり、事件もまあひとつのアイデアで何とかしているような感じですが、もともとのレーベルである富士見ミステリー文庫自体、ハードなミステリは求めていないのでこういうものでしょう。その分、美波や友人、母親のキャラクター描写に紙幅が費やされていて、読みやすくなっています。
今回はファンタジアバトルロイヤルに掲載された短編「たった、二十九分の誘拐」も収録されてお得な一冊になっています。